日蓮大聖人御金言義類別入文集

法華経 26

而るに四十余年の経々をば、東春の大日輪、寒冰を消滅するがごとく、無量の草露を大風の零落するがごとく、一言一時に未顕真実と打ちけし、大風の黒雲をまき、大虚に満月の処するがごとく、青天に日輪の懸り給うがごとく、世尊法久後要当説真実と照らさせ給…

法華経 25

像法の中には天台一人、法華経一切経をよめり。南北これをあだみしかども、陳隋二代の聖主、眼前に是非を明めしかば敵ついに尽きぬ。像の末に伝教一人、法華経一切経を仏説のごとく読み給へり。南都・七大寺蜂起せしかども、桓武乃至嵯峨等の賢主、我と明ら…

法華経 24

此に予愚見をもつて前四十余年と後八年との相違をかんがへみるに、其の相違多しといえども、先ず世間の学者もゆるし、我が身にもさもやとうちをぼうる事は二乗作仏・久遠実成なるべし。「開目抄上」528 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/…

法華経 23

但し仏教に入って五十余年の経経、八万法蔵を勘たるに、小乗あり大乗あり、権経あり実経あり、顕教・密教、軟語・麁語・実語・妄語、正見・邪見等の種種の差別あり。但し法華経計り教主釈尊の正言なり。三世・十方の諸仏の真言なり。「開目抄上」526 日蓮大…

法華経 22

過去の生死・現在の生死・未来の生死、三世の生死に法華経を離れ切れざるを法華の血脈相承とは云うなり。謗法不信の者は「即断一切世間仏種」とて、仏に成るべき種子を断絶するが故に生死一大事の血脈之無きなり。 「生死一大事血脈抄」514 日蓮大聖人御金言…

法華経 21

今法華経は十界互具・一念三千・三諦即是・四土不二と談ず。其の上に一代聖教の骨髄たる二乗作仏・久遠実成は今経に限れり。汝語る所の大日経・金剛頂経等の三部の秘経に此等の大事ありや善無畏・不空等・此等の大事の法門を盗み取つて己が経の眼目とせり本…

法華経 20

「但楽つて大乗経典を受持し、乃至余経の一偈をも受けざれ」文。此の文の意は年紀かれこれ煩はし、所詮法華経より自余の経をば一偈をも受くべからずとなり。然るに八宗の異義蘭菊に、道俗形を異にすれども、一同に法華経をば崇むる由を云う。されば此等の文…

法華経 19

華厳経の法界唯心・般若の十八空・大日経の五相成身・観経の往生より、法華経の即身成仏勝れたるなり。(薬王品得意抄・349) 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 2015/07/16 メディア: 単行本 この商品を含…

法華経 18

夫れ浄土と云うも地獄と云うも外には候はず、たゞ我等がむねの間にあり。これをさとるを仏といふ。これにまよふを凡夫と云ふ。これをさとるは法華経なり。もししからば、法華経をたもちたてまつるものは、地獄即寂光とさとり候ぞ。たとひ無量億歳のあひだ権…

法華経 17

念仏と法華経と一つならば、仏の念仏説かせ給いし観経等こそ如来出世の本懐にては侍らめ。彼をば本懐ともをぼしめさずして、法華経を出世の本懐と説かせ給ふは、念仏と一体ならざる事明白なり。(題目弥陀名号勝劣事・332) 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作…

法華経 16

法華経は何れの品も先に申しつる様に愚かならねども、殊に二十八品の中に勝れてめでたきは方便品と寿量品にて侍り。余品は皆枝葉にて候なり。されば常の御所作には方便品の長行と寿量品の長行とを習い読ませ給い候へ。又別に書き出してもあそばし候べく候。…

法華経 15

一念信解の功徳は五波羅蜜の行に越へ、五十展転の随喜は八十年の布施に勝れたり。頓証菩提の教は遙に群典に秀で、顕本遠寿の説は永く諸乗に絶えたり。(持妙法華問答抄・297) 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発…

法華経 14

爾前の経の習ひとして、今説く経より後に又経を説くべき由を云はざるなり。唯法華経計りこそ最後の極説なるが故に、已今当の中に此の経独り勝れたりと説かれて候へ。されば釈には「唯法華に至つて前教の意を説いて今教の意を顕す」と申して、法華経にて如来…

法華経 13

法華独りいみじと申すが心せばく候はゞ、釈尊程心せばき人は世に候はじ。「持妙法華問答抄・293」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 2015/07/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る

法華経12

去年の五月十二日より今年正月十六日に至るまで、二百四十余日の程は、昼夜十二時に法華経を修行し奉ると存じ候。其の故は法華経の故にかヽる身となりて候へば、行住坐臥に法華経を読み行ずるにてこそ候へ。人間に生を受けて是れ程の悦びは何事か候べき。「…

法華経11

仏世に出でましまして先づ四十余年の権大乗・小乗の経を説き、後には法華経を説いて言わく「若以小乗化・乃至於一人・我則堕慳貪・此事為不可」文。文の心は、仏但爾前の経許りを説いて法華経を説き給はずば、仏慳貪の失ありと説かれたり。「唱法華題目抄・…

法華経10

妙楽大師釈して云く「仏世は当機の故に簡ぶ、末代は結縁の故に聞かしむ」と釈し給へり。文の心は仏在世には仏一期の間、多くの人不退の位にのぼりぬべき故に法華経の名義を出して謗ぜしめず、機をこしらへて之を説く。仏滅後には当機の衆は少く結縁の衆多き…

法華経 9

下根下智末代の無智の者の、わづかに浅き随喜の功徳を四十余年の諸経の大人上聖の功徳に勝れたる事を顕わさんとして五十展転の随喜は説かれたり。「唱法華題目抄・二二一ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 …

法華経 8

法華経に於ては二乗七逆の者を許す上、博地の凡夫一生の中に仏位に入り、妙覚に至りて因果の功徳を具するなり。「十法界明因果抄 御書二一六ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 2015/07/16 メディア…

法華経 7

法華経を信ずる者は、設い臨終の時、心に仏を念ぜず、口に経を誦せず道場に入らずとも心無くして法界を照し、音無くして一切経を誦し、巻軸を取らずして法華経八巻を拳る徳之有り「守護国家論 御書一三八ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日…

法華経 6

手に法華経一部八巻を執らざれども是の経を信ずる人は昼夜十二時の持経者なり。口には読経の声を出さゞれども法華経を信ずる者は日々時々念々に一切経を読む者なり。「守護国家論 御書一三八ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メ…

法華経 5

法華経の如きは、序分の無量義経に慥に四十余年の年限を挙げ、華厳・方等・般若等の大部の諸経の題名を呼んで未顕真実と定め、正宗の法華経に至つて一代の勝劣を定むる時「我が所説の経典・無量千万億にして、已に説き今説き当に説かん」の金言を吐いて「而…

法華経 4

法華以前の諸経の中に円教と云ひて殊勝の法門を説く、何ぞ強ちに爾前の諸経をば仏の種子と成らずと之れを簡ぶや。答へて云はく、円教を説くといへども、彼の円は仏の種子を失へる声聞・縁覚・悪人・女人を成仏すと説かざるが故に円教の至極にあらず、究竟に…

法華経 3

法華以前の諸経は権法を説き交ゆるが故に、塵劫を経歴して受持すとも仏種となるべからず、仏智を説き顕はさゞるが故なり。「総在一念抄・御書一一四ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 2015/07/16 …

法華経 2

法華経の悟りと申すは易行の中の易行なり。只五戒の身を押へて仏因と云ふ事なり。五戒の我が体は即身成仏とも云はるゝなり。「戒体即身成仏義・御書一〇ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 2015/07/…

法華経 1

法華経には「正直に方便を捨てゝ但無上道を説く」云云。法華已前の経は不正直の経、方便の経。法華経は正直の経、真実の経なり。「戒体即身即身成仏義・御書九ページ」 日蓮大聖人御金言義類別入文集 作者: 阿部日顕 出版社/メーカー: 大日蓮出版 発売日: 20…