日蓮大聖人の「御書」とは

 

平成新編 日蓮大聖人御書(大石寺)

平成新編 日蓮大聖人御書(大石寺)

 

  「御書」とは書の尊敬語で、御妙判(ごみょうはん)ともいいます。日蓮大聖人が私達に残された、成仏するための教えが説かれた書物です。
 第二祖日興上人は『富士一跡門徒存知事』に、
 「日興は聖人の御書と号して之を談じ之を読む」(御書1870)
と仰せのように、日蓮正宗では御相伝においても日蓮大聖人がお書き残されたものを「御書」と呼んでおります。日蓮正宗以外の日蓮各派は、御書とはいわず、御遺文などと称し日蓮大聖人の蔑(さげす)んでおります。
 「御書」という呼び方は、仏様が書かれた書物という意味があります。私達が必ず幸福になれ成仏できる教えであるため、尊んで「御書」と呼ぶのであります。御書は正しい「師匠」について学ぶことが必要です。
 御書には、正しい修行のあり方、正しい成仏できる仏法と間違った邪な仏法の違いを、細かく御教示下さっているのが御書です。御書には「五大部」「十大部」という第二祖日興上人が決められた、重要な御書があります。
 「五大部」とは、立正安国論(りっしょうあんこくろん)・開目抄(かいもくしょう)・観心本尊抄(かんじんのほんぞんしょう)・撰時抄(せんじしょう)・報恩抄(ほうおんしょう)です。「十大部」は、この五大部に唱法華題目抄(しょうほっけだいもくしょう)・法華取要抄(ほっけしゅようしょう)・四信五品抄(ししんごほんしょう)・下山御消息(しもやまごしょうそく)・本尊問答抄(ほんぞんもんどうしょう)を付け加えた御書です。
 私達の生活は、日蓮大聖人の仰せになる教えに随っていけば安穏な境涯になります。人生の指針が説かれたものであり、悪道を防ぐ教えです。「御書」についての詳しい解説は、日蓮正宗の寺院で毎月の永代経や御講で御住職様が解りやすく御指導下さいます。正しい師について御書を学び、他の縁ある方に御書の有り難さを教えていくことが大切です。そこに自他共に幸せになる要素があります。
 第二祖日興上人は『日興遺誡置文』に、
  「一、当門流に於ては御抄を心肝に染め極理(ごくり)を師伝して若し間(いとま)有らば台家を聞くべき事」(御書1884)
と御教示でありますように、当日蓮正宗では御書を心に染めて、更に大切な御書に秘められた極理を師から伝えられた教えを学ぶことであります。この「極理を師伝」された御書を学ばなければ成仏は出来ません。日蓮正宗寺院には、極理を師伝した教えが伝えられているのであります。
 現在の御書の内容は、四百数十編に及んでいます。難しい教学的な御書や弟子檀那に与えられた、人々の気持ちにあわせた、やさしい御消息文といわれる御書が沢山あります。総本山大石寺には、多くの御真蹟(ごしんせき)といわれる日蓮大聖人の直筆の御書が御宝蔵(ごほうぞう)に厳護されています。 
 毎年、四月に行われる「御虫払大法要(おむしばらいだいほうよう)」には、日蓮大聖人の御書を間近に拝することが出来ます。代々の御歴代上人猊下が護ってこられたので御真筆(ごしんぴつ)の御書を拝することが出来るのであります。御書は私達の幸せを絶対的なものにし、成仏するための大切な書物です。

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