家庭訪問の心得

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 日蓮大聖人は『教行証御書』に、
 「雑言(ぞうごん)・強言(ごうごん)・自讃気(じさんげ)なる体(てい)、人目に見すべからず、浅猿き事なるべし。弥身口意を調へ、謹んで主人に向かふべし、主人に向かふべし」(御書1110)
と主人に向かう折伏の姿勢・心得を御指南であります。家庭訪問でも、身口意の三業を調え姿勢を正し、日蓮大聖人の弟子として地涌の菩薩の自覚を持ち訪問することが大事です。
 家庭訪問の心得として注意するところは、自分自身の生命力が弱っているときや感情が高ぶり、身口意の三業が乱れているときは避けるべきです。勤行唱題で歓喜に満ちた生命力を漲(みなぎ)らせ、相手の心を動かす生命力で訪問し折伏と教化育成をすることです。
 また家庭に訪問をする「時」ということが大切になります。節度を保ち常識のある行動を心得て、家庭訪問すべき時を考えていくべきです。基本的な節度と常識が損なわれると、法を下げることになり逆効果であります。逆縁を結ぶことは出来ても、確実な成果に結び付けることは出来ません。人間関係が気まずくなる訪問は避けましょう。仕事中や食事中など他に取り込んでいる時は、集中力と注意力が散漫し信心の話しを聞き流され、相手の心に信心の素晴らしさを残すことが出来かねます。相手の立場と心の状態もしっかり見つめていきましょう。勤行唱題が出来ていれば見えるはずです。
 家庭訪問における教化育成は、御本尊様が御安置されていれば、まず「御題目を唱えさせて下さい」とお願いすることが大切です。そして御仏壇を拝見させて頂き、信心状態を把握していくことが必要です。過去帳が毎日めくられているか、御仏壇の汚れ具合やほこりの着き具合をさり気なく、御題目を唱えさせていただく時、不快感を与えないように観察することで、その家庭の信心状態に大凡の察しがつくでしょう。
 更に話しの中で、はじめは今日の天気の事を話し始めたり、お互いにリラックスした話せる雰囲気つくりが大事です。この雰囲気つくりが後々大きな効果をもたらします。次に差し障りのない世間的な話題や家族のこと、お子さんに法統相続出来ているか、そして四苦八苦という人生の苦しみに直面していないか伺い、一緒に考える一時を持つことが大事です。そして日蓮正宗の化儀化法を教えながら、人間関係を深め家庭訪問における教化育成を円滑にしていきます。また相手に不快感を与えないように話しをし、さり気なく家庭の状況を聞くことが好ましいです。一回の訪問で全て行おうとせず、「一年に一人以上の折伏」の御指南を心得、一年間じっくり時間をかけることが必要です。
 そして寺院参詣の大切さや総本山大石寺登山のこと、日蓮正宗の機関誌である大日蓮や大白法を通して対話を持つことが大事でしょう。
 家庭訪問での教化育成は、長い目をもってじっくり時間をかける必要があります。あせらずに気長に行うことで相手の発心を育て、一人でも立派に信心できる姿勢が出来上がります。家庭訪問は歓喜を持ち、更に訪問する家庭に「歓喜」を施し明るさを与える「抜苦与楽(ばっくよらく)」の修行であります。

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