御本尊様に向かって正座をし合掌をするのは

f:id:ekikyorongo:20190429210609j:plain

 私達は、信心する上で御本尊様に「正座」をし「合掌」をすることが基本です。素朴な疑問ですが、信心に縁の薄い方には生まれる疑問ではないでしょうか。正座をし合掌するという姿勢は、気持ちを落ち着かせ冷静になる一番の方法です。「禅定」を得る近道であり、御本尊様から智慧を頂きやすい姿勢が「正座」と「合掌」になります。この姿勢を持ち体を動かさずに、不動を持つところ、御題目を朗々と唱えれば「歓喜」が呼び起こされ、人生の迷いや悩みを払拭させることが出来ます。更に道が開かれることになるわけです。
 日蓮大聖人は「合掌」について『御義口伝』に、
 「合掌とは法華経の異名なり。向仏とは法華経に値(あ)ひ奉るを云ふなり。合掌は色法(しきほう)なり、向仏は心法なり。色心二法妙法と開悟するを歓喜踊躍(かんぎゆやく)と説くなり。合掌に於て又二の意之有り。合とは妙なり、掌とは法なり」(御書1734)
と御指南であります。両手を合わせる「合掌」には、「歓喜」という喜びを呼ぶ働きがあります。「正座」について『守護国家論』に、
 「散心(さんしん)に法華を誦(じゅ)し禅三昧に入らず。坐立行一心(ざりゅうぎょういっしん)に法華の文字を念ぜよ」已上。此の釈の意趣は末代の愚者を摂せんが為なり。散心とは定心(じょうしん)に対する語なり。誦法華とは八巻・一巻・一字・一句・一偈・題目・一心一念随喜(ずいき)の者五十展転(てんでん)等なり。坐立行とは四威儀を嫌はざるなり。一心とは定の一心にも非ず、理の一心にも非ず、散心の中の一心なり。念法華の文字とは此の経は諸経の文字に似ず、一字を誦(じゅ)すと雖も八万宝蔵の文字を含み一切諸仏の功徳を納むるなり」(御書138)
と妙楽大師の弘決を引用され、正座をすることで乱れた心(散心)をおさえる働きがあることを御教示であります。
 つまり「正座」と「合掌」をすることで、悪道の因縁を断つことが出来ます。御本尊様に正座と合掌する習慣を毎日持つことで、生活が快適になるわけです。更に自分自身の心の中が明らかに見えるようになります。長所や短所など、客観的に見たときの自分自身が、気持ちを落ち着けたとき見えてきます。見えたら成仏に向かって、自分自身の人格を直しながら、自分の理想的な人格を日蓮大聖人の御指南にそった形で作り替えていきます。気持ちを落ち着かせ心を柔和に持ち、正座をし合掌して唱題することで実現します。常日頃の振る舞いも自然と変わってきます。正座と合掌するところにその全てが具わっております。 
 御本尊様に向かって「正座」をし「合掌」するときは、御念珠をすることを心がけましょう。御念珠は、修行で積んだ功徳を貯金する大切な金庫です。御念珠の房にある壷に功徳が貯まります。御念珠をかけることで、私達の心の迷い煩悩が間違った方向へ行かないよう食い止め、更にその煩悩を活用して人生を優雅にしてくれます。そのため御念珠をすることが大切です。
 お寺へ参詣の際は必ず御念珠を持参し、更に御経本も袱紗(ふくさ)に包み持参しましょう。御念珠は「常自随身(じょうじずいしん)」という常に肌身離さず持つことが望ましいとされています。 

blog.goo.ne.jp