人生の苦悩となる四苦八苦

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人生の苦悩となる四苦八苦
2005-11-21 | 手引書①
 人間は生まれれば誰しも受ける苦しみが「四苦八苦」です。恵まれた環境や逆境を体験しない人には理解できませんが、実際に経験をするとその苦しみは身に染みてわかります。四苦八苦は、御本尊様に御題目を唱えることで苦しみを和らげることが出来、四苦八苦をバネにして人生を勇敢に生きることが出来ます。日蓮大聖人の教えにおいては、四苦八苦が成仏の大切な糧になります。
 四苦八苦とは、生老病死の四苦と愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五盛陰苦(ごじょうおんく)です。
 生老病死の四苦である生苦が生きる苦しみです。生まれて生きていくというところに、苦しみを受ける原因が具わっています。苦しみの原因を自由自在に操っていく修行が日蓮正宗の信心です。
 老苦が老いる苦しみです。人は必ず年をとり、体も老化していきます。老いる苦しみは避けられません。体は老化しても心は老化することはありません。それが信心です。信心によって気持ちを若く持っていくことが可能です。自然と気持ちが若いと老化現象を遅らせることが出来ます。
 病苦が病気になる苦しみです。大半の人が必ず経験します。病の苦しみは、人生を大きく変えます。この時、はじめて健康な体の有難味がわかります。病苦も信心によって自然治癒力を高め乗り越えることが出来ます。
 死苦が死ぬ苦しみです。生まれれば死に向かって生きております。しかし、仏法から見た場合、死は一時的なものにしかすぎません。仏法では三世を説き、生死を繰り返しています。死を迎えれば、必ずまた生まれるのであります。間違った宗教が説く、思想に執着すると死の苦しみを感じます。
 愛別離苦が愛する者と別れる苦しみです。家族や御主人や奥さん、そして恋人や友人と別れなければいけない時があります。この苦しみを経験したとき、経験した人にしか解らない心の痛みがあります。そしてどんな行動をとればいいのか、迷う人が多いと思います。事前に予備知識を具て、体験する人は少ないことでしょう。まず冷静になり気持ちを落ち着かせることが大事です。そして決して一人では悩まず、御本尊様に御題目を唱えて智慧を頂くことが大事です。
 怨憎会苦が会いたくない人と会わなければならない苦しみです。世の中には、好きな人ばかりではありません。相性があわない人もいます。怨憎会苦は、色んなケースがあります。嫁姑の関係や仕事場における上司同僚との人間関係、学校での先輩やクラスメートなどがありましょう。これが怨憎会苦です。一切衆生の恩を感じ、御題目を唱えて相性があうよう努力し、苦しみを和らげることが必要です。言動や振る舞いを工夫することです。
 求不得苦が得ようとして求めても得られない苦しみです。煩悩を断ぜず、五欲を離れずに、少欲知足を旨としていくことが大切です。欲望や願望が強すぎると、この苦しみを感じます。時には意識を他に向けることが必要でしょう。
 五盛陰苦が色受想行識の五陰から生まれる苦しみで、私達の肉体・精神における苦しみです。生きていれば必ず縁に触れて経験することです。
 以上を仏教では四苦八苦といいます。日蓮大聖人は、四苦八苦を取り除く教えを、私達に御書として残されておられます。日蓮正宗の寺院では、四苦八苦を逃れる教えを教えています。信心を知らない人達は、四苦八苦を感じると貪瞋癡の三毒が強盛になります。信心をしている人は、御本尊様にひたすら御題目を唱え、貪瞋癡の三毒を変毒為薬し菩提へと転じて、人生を楽しく生きていくことが出来ます。四苦八苦に直面すると、必ず貪瞋癡の三毒が私達の心を汚します。御題目を唱えて洗い流すことが大事です。月に一度は寺院に参詣して、心の汚れを洗い流すことをお勧めします。